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ハイエンドカーの鍵。
どうしてうちに相談がきたのか?というのが最初の正直なところ。 しかし聴けば聴くほど、挑戦しなければならないと感じたのです。
YEAR
2021
LOCATION
新潟県燕市
CREATIVE DIRECTOR
田中良
PORTFOLIO
新規
最後の砦。
思いもよらぬ依頼でした。著名なハイエンドカーの鍵のサンプル制作依頼でした。元は、別の地域で制作されていたものの、高齢化の波でその企業が廃業することになったことがきっかけです。
実は今、こうしたケースは激増しています。燕市も例外ではありません。後継者がいないため廃業した企業の案件が次々に持ち込まれるのです。しかし、お受けすることができないケースも少なくありません。多くの問題はコストです。単にお金の多い少ないではないのです。弊社では、さまざまな案件に対して、かなり複合的なディレクションやプロデュースを行った後、ベストな加工方法を導いて工程へと入っていきます。
できないことをなくす。
実際取り掛かってみると、難しいの連続でした。まず預かったのが真冬。燕市の気温は氷点下になることはざらです。したがって、金型もがっちり冷え切ります。これでプレスを打つにしても、我々がもっているものではパワー不足。さらに、下に突き抜けるようなプレスではなく、プレスした瞬間上に少し跳ね戻るような挙動をするのが特徴なため、鍵の形状を抜ききれませんでした。
そこで、燕市ないのプレス工場へと持ち込み実証実験を繰り返しました。こちらでは扱う素材も難易度の高いものであり、プレスのバリエーションも豊富です。さらに、春をまち気温が上がったことを確かめてから抜いてみたところ、見事に形状の抜きを実現することができました。試作の結果としては、もともとの製品と見比べても遜色ないものに仕上がったと感じています。
工程設計の妙。
結果的に今回の仕事は具現化されなかったのですが、一番の突破口となったが工程設計です。今回はまず、社内の技術者たちの意見に耳を傾けました。すると、すぐに”抜ききれないのでは”という意見がでたのです。実際、試作段階ではこれが事実だとわかりました。そうなれば、燕全域での加工屋探しとなりますが、弊社ネットワークにはいくつかの精密加工ができる板金屋があったことが大きかったです。
結局これらは、弊社だけで解決できない物事が日常茶飯事的にあることと、燕市全体が保有している法人の数と多様性が我々にとっても自然なビジネス環境であることを意味しています。これらが、我々の工程設計にはもうデフォルトで組み込まれているわけです。金属加工でできないことはない。というのも、あながち大袈裟な言い方でもないのかもしれないな、ということを改めて感じ入ったプロジェクトでした。
Other Projects
YEAR
: 2021
LOCATION
: 新潟県燕市
TYPE
:
CREATIVE DIRECTOR
: 田中良
VISUALIZATION
:
PORTFOLIO
: 新規